のんびりいこうよぉ

障害児の父です。障害者関連、スーパーセブンとW650、プラモデル作成、そして福岡出身なので福岡ネタが大好きなアラフィフMBAホルダー。

ヘラルボニーのTED視聴

youtu.be

ヘラルボニーの吉田兄弟のTEDを観て、私の表現に違和感を感じる人もいるかもしれませんが「吉田兄弟も、ちゃんと障害者がいる家族をしているな」というのが偽らざる私の感想でした。

三人いる子供のうち、真ん中の子が重度知的障害にあたります。先日もこの件については書きましたが、まさか自分が障害を持った子供を育てることになるとは夢にも思っていませんでした。そして幸にして周りに恵まれ多くの人に助けて頂きながらこれまで16年間やって来れました。

そんな中で私が思っていることは、

どうしてうちの次男坊は周りから障害者と呼ばれるの?

そもそも障害者ってなに?

障害者って可哀想なの?

こうした疑問については私自身が納得できる回答は出ており、吉田兄弟がTEDの中で話ししていた事と大きくかけ離れていませんでした。

ビジネスの視点から障害者を考える

またヘラルボニーは株式会社ですから、ビジネスの面でも少し触れておきます。

「障害者のある人が作った○○」というのをよく見かけるけど、”これって競合は誰?”ってのを考えた時に、競合と比べて”障害者”を前面に出すことが、そのビジネスにおける勝つ条件じゃないなら、”障害者”ってのを前面に出す意味ってなんなのかをよく考える時期に来ているんじゃないかなって思っています。

もちろん「障害がある人が作った○○」という商品が、誰にかに買ってもらえることにより、それを作った障害を持っている人が誰かに必要とされているって実感を持ち、前向きに社会と向き合う機会に繋がるので商品が売れることは喜ばしいことです。

そして障害がある人は複雑な作業をするのが苦手な人が多く、そのためあまり手が込んだ物を作ることは困難です。さらに、あまり手が込んでないものを販売するって非常に難しいので、そういう商品を売るために”障害がある人”を前面に出したくなる気持ちも分かります。

ヘラルボニーのビジネスが成立しているのは、アートという領域で”できる人ができることをやる”っていうのを障害の有無関係なくやれていることです。このアートという領域は良いと感じた作品に出会えば、そこに障害の有無は関係なく、一人の作家として凄いという当たり前の価値基準で評価されます。

そしてヘラルボニーは企業と作家の間に入り、作家(障害者)の作品を紹介したり、作品を使った商品企画なんかを手掛けています。それらが企業で採用されると、企業側は作品使用料を払い、その作品使用料をヘラルボニーが作家(障害者)に支払ういうものです。

個人的にはヘラルボニーが企業と作家の間に入ることによって、作家(障害者)が収入を得る仕組みが出来上がっていること。そして作家(障害者)が収入から所得税を払い税金を納付できているところにビジネス以上の価値を感じます。

加えて、こういった障害者のアートに関しては日本財団DIVERSITY IN THE ARTSなどでも着目されており、IBLIV、一般社団法人障害者アート協会なども色々と取り組んでおり、ビジネスの裾野が広がることを本当に期待しています。

www.diversity-in-the-arts.jp

最後に

障害者を作家として見るってことは、言い換えれば絵に対して強いこだわりを持っている全ての障害者が日の目を見るわけではないってことを我々自身が理解しておく必要があることだと思います。

また、絵に対して強いこだわりを持てない障害者は障害者アートの領域に入っていくことができないことも理解しておく必要があると思います。

障害者のできるに着目しビジネスに挑戦している人をこれからも応援していきます。