今日、障害っ子次男坊が特別支援学校高等部を卒業しました。
知的障害があり生活のほとんどの場面で介助が必要な次男坊ですが、これまで多くの方々に支えられながら成長してきました。
卒業証書授与式では、壇上の下までは先生に付き添ってもらいましたが、そこから先は自分の力で階段を上がり、前の人の授与が終わるまでしっかりと待機。そして、自分の名前が呼ばれると、大きな声で「はい」と返事をし、校長先生の前まで歩いていきました。
校長先生の前でしっかりと気をつけの姿勢をとり、証書を受け取る仕草をすると、スムーズに手を出して証書を受け取り、そのまま自分で階段を降りることができました。
正直なところ、一連の動作を一人でこなすのは難しいのではないかと思っていました。
しかし、次男坊は見事にやり遂げました。
その姿を見て、学校の先生方が根気強く支えてくださったおかげだと胸が熱くなりました。
健常の子どもにとっては当たり前にできることでも、特別支援学校に通う子どもたちにとっては大きな挑戦になることがあります。
卒業証書の授与ひとつをとっても、子どもによってできること、かかる時間は異なります。
しかし、特別支援学校では、その子ができる形を尊重し、見守りながら支えてくれる環境があります。
周囲も怒ることなく、温かく応援してくれます。
ふと考えると私たちは「効率」を求めるあまり、何か大切なものを忘れてしまっているのかもしれません。もちろん、物事を効率よく進めることは重要です。しかし、そこに余裕がなければ、効率がかえって弊害になってしまうこともあります。
特別支援学校に通う子どもたちの姿と、それを支援してくれる周りの大人達を見ていると、そのことに気づかされます。
そして次男坊はこれまで大きな病気や怪我もなく、たくさんの人に愛されながら無事にここまで成長してくれました。
そして実は私たちこそが彼から多くのことを学ばせてもらったのかもしれません。
彼が私たちを親にしてくれたのです。
うちに来てくれてありがとう。
そして、高校卒業おめでとう。
4月からは、車で5分ほどの場所にある生活介護施設に通います。
学校とは違う新しい環境で、新しい毎日が始まります。
彼がその場所に慣れ、楽しく充実した日々を送ってくれることを心から願っています。